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パナ・ケミカルブランディング第2回:存在意義の再定義と「形」に込めた一貫性― プラスチックリサイクルで世界をつなぐ

ブランディングの起点は、企業の存在意義を問い直し、言葉として明確にすることです。 

パナ・ケミカルの場合、その結晶が 「プラスチックリサイクルで世界をつなぐ」 というミッションに至りました。 

この言葉は、50年以上にわたり築かれてきた歴史と、これから目指す未来の方向性を一言で示すものです。 

他にも、同じ意味を持つミッションコピーとして

  • 人とつながり、資源をつなぎ、未来へつなぐ

  • プラスチックリサイクルを未来へつなぐ

がありますが、今回は「プラスチックリサイクルで世界をつなぐ」で話を進めます。

 

存在意義の再定義 ― 歴史から未来へ

築地市場に端を発する発泡スチロールリサイクル事業を起点に、パナ・ケミカルは半世紀以上「誠実に」「透明に」事業を続けてきました。 

しかし歴史そのものは社会に直接伝わりにくく、「未来に向けてどんな約束を果たす企業なのか」を再定義する必要がありました。 

その答えが、 

「プラスチックリサイクルで世界をつなぐ」。 

これは、 

  • 国内循環だけでなくグローバルに資源を循環させる役割 

  • 過去の実績と未来への挑戦をつなぐ姿勢 

  • BtoB企業であっても社会全体への貢献を視野に入れる視点 

を同時に表しています。 

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六角形モチーフの背景

パナ・ケミカルの事業は、もともと松下電工株式会社の化材代理店としてスタートし、企業ロゴには「ベンゼン環の六角形」がモチーフとして採用されていました。 (ベンゼン環について化学の話になりますのでここは省きます。)

その後、発泡スチロールリサイクル事業が成長し、さらに資源プラ®︎の買い取りなど事業領域が拡大した現在でも、ベンゼンはポリスチレンをはじめとする多くのプラスチックの重要な原料であるため、パナ・ケミカルの事業ドメインを象徴するにふさわしい記号であり続けています。 

 

1975年創業の長い歴史を表し、かつ高い信頼性を担保するこのロゴモチーフはブランディングにおいて、とても大切な要素であり、「パナ・ケミカルの歴史と現在、そして未来をつなぐ必然的な選択」でした。 

 

パナ・ケミカルロゴからはじまる一貫性

パナ・ケミカルのロゴのモチーフは、「資源プラ®︎」「J-EPS Recycling®︎」「潔いリサイクル®︎」それぞれのロゴにも踏襲されています。 

これにより、 

  • すべてのプロジェクトがパナ・ケミカルから派生していることを視覚的に表現 

  • 個別の概念が独立しながらも、ブランド全体と強固につながっていることを担保 

  • 言葉とデザインの両面で「一貫した物語」を社会に伝える 

ことが可能になりました。 

 

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一貫性が信頼を生む

ステークホルダーは日常的にロゴやサイトを「視覚的に感じる」ものの、そこに込められたブランドステートメントをすぐに意識するわけではありません。 

しかし後から「プラスチックリサイクルで世界をつなぐ」という言葉を知ったとき、ロゴや各プロジェクトの一貫性があるからこそ、「なるほど、そういうことだったのかという納得感」をもたらします。 

この納得感こそが、ブランドへの信頼を強固にしていくのです。 

 

パナ・ケミカルのブランディングにおける出発点は、存在意義の再定義でした。 

「プラスチックリサイクルで世界をつなぐ」というミッションを掲げ、その理念を支える形で、パナ・ケミカルのロゴを再設定。歴史的背景を持つモチーフをすべてのロゴに踏襲。 

これにより、一貫した企業とプロジェクトを結ぶ強固なつながりを築きました。 

 

次回は、この流れの最初の具現化である「資源プラ®︎」について掘り下げます。 

廃棄物から資源へという視点の転換で社会の認識を変えていく資源プラのプロジェクトにおいてロゴの果たす役割について説明します。

 
 
 

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