先日、一般社団法人資源プラ協会から「成長志向型の資源自律経済戦略」に関するパブリックコメントが発表されました。このコメントでは、「国内資源循環の輪」と「国際的資源循環の輪」の共存を目指す「大きな環と小さな環の潔い使い合わせ」のコンセプトが強調されています。
この考え方は、私たち株式会社パナ・ケミカルが提唱する「潔いリサイクル」に通じるものです。当社も、このコンセプトに深く共感し、資源プラ協会と共に、持続可能な資源循環を推進していきます。
(一般社団法人 資源プラ協会ホームページより引用)
大きな環と小さな環の潔い使い合わせこそ、持続可能なプラスチックリサイクル。
資源プラ協会は、政府の「成長志向型の資源自律経済戦略」に関するパブリックコメントで、「国内資源循環の輪」と「国際的資源循環の輪」の共存を提唱しています。国内での資源循環は重要ですが、日本の現状を鑑みると、人口減少、コスト高騰、需要不足などの課題により、国内だけでの循環は難しい状況です。
そのため、国際的な資源循環の輪を活用し、プラスチック(資源プラ)の輸出を日本の戦略的な輸出資源として位置づけ、外貨を稼ぐ手段とするべきだと考えています。
これにより、国内資源循環の輪を下支えし、持続可能な循環経済の実現を目指します。
国内需要の限界
我が国は人口減少期に突入し、バージン材、再生材を問わずプラスチック原料の需要拡大は期待できません。特に再生プラスチック原料の継続的な利用先を国内で確保することは非常に難しいのが現状です。国内でのプラスチック原料の生産は頭打ちであり、最近では海外から直接プラスチック製品を輸入するケースが増えています。国内化学産業のスリム化が進む中、製造コストが高く、再生材の需要は小さく用途も狭いため、国内資源循環の輪を構築しても景気の変動や需要の減退、社会動向、法規制の影響で循環が滞り、再生材の行先が失われるリスクがあります。
再生材の継続的な利用先の確保がサーキュラーエコノミー構築の鍵ですが、国内のみでの利用先確保は困難です。仮に確保できたとしても、不測の事態により資源循環の輪が停滞するリスクが懸念されます。したがって、国内での再生材利用促進に加え、海外への再生材輸出も考慮し、グローバルな資源循環の輪を構築することが現実的です。
グローバルな資源循環の必要性
例えば、国内経済が悪化した場合、国内のどの地域でも経済環境はほぼ均質であるため、資源循環の輪が不安定化し、再生材の流通が滞る可能性があります。しかし、グローバルな資源循環の輪を構築すれば、地域ごとの経済環境の違いにより、いずれかの地域で再生材への需要が必ず存在します。
ある地域の経済が悪化しても、他の地域での資源循環の輪は健全に機能し、再生材の流通経路を柔軟に変更することで流通が維持されます。
国内のみでの資源循環の輪に比べ、グローバルな資源循環の輪は経済情勢の変化に柔軟に対応可能です。社会や経済情勢、再生原料の需要動向などを十分に考慮し、「国内資源循環の環」と「国際的資源循環の環」の適切な住み分けと共存、双方の安定で持続的な発展を目指すことが我が国の目指すべきサーキュラーエコノミーの形です。
一般社団法人資源プラ協会 「成長志向型の資源自律経済戦略の実現に向けた制度見直し」パブリックコメント特設ページはこちら
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